鉛フリーはんだ カーボン・ソルダーのご案内

カーボン・ソルダーの学術的視点からの見解

無鉛はんだに炭素を添加することにより、結晶中に析出するAg3Sn相の結晶成長を阻害し、その粒径サイズを小さくことが、エネルギー分析機能付走査型プローブ顕微鏡にて判明しました。この結果、引っ張り強度、硬度の向上が見られます。

1. はんだ組織観察の結果

はんだ組織観察の結果

図は加炭前と後の合金の組織を示します。
EDX結果によるいずれもの合金でも、大部分はβSn相、その他はSnとAgの金属間化合物Ag3Sn相が検出されました。カーボン添加した場合、Ag3Sn粒径は微細化させることが分かりました。

はんだ組織観察の結果

Distribution of Ag3Sn grains in the Sn-3.5Ag with (a) and without (b) carbon solders

上記のグラフはSEMの結果から統計的に得たAg3Sn相のサイズと分布状態を図に示しています。
カーボン添加はんだの方がAg3Sn相のサイズが小さく、よりきれいに分布しています。
カーボン添加前のAg3Sn平均サイズは約16μmでですが、カーボン添加した場合、Ag3Sn相の平均サイズは約6μmとなりました。

2. EDXによる炭素の分析結果

EDXによる炭素の分析結果

Distribution of carbon at Ag3Sn grains

カーボンはAg3Sn相に存在し、はんだマトリックスの中に幅広く分散しています。

3. カーボン・ソルダーの破断面写真による解明結果

従来、鉄以外では不可能とされててきた他金属(はんだなど)に炭素を添加することに成功しました。はんだに炭素を添加したケースでは、炭素の添加により、はんだのグレーン(結晶)が小さくなり強度、硬度、伸び率が改善していることが解明されました。

カーボン・ソルダーの破断面写真による解明結果

上記、電子顕微鏡写真ではんだの破断面を見ると、炭素を付加したカーボン・ソルダーでは破断面が飴のよう に滑らかに伸びている様子が確認できます。